名古屋市港区港栄4丁目3-5
2020年7月のブログ記事
小学校、中学校健診で受診を勧められた方へ
2020年7月6日
蒸し暑い日が続きますね。
今年度の学校健診が終了しました。
港南中学、東港中学と小学校6校にお邪魔しました。
知っているお子さんもみえて、いつもより調子が良いかな、悪いかなと考えながら
診察をしておりました。
熱中症で保健室にみえるお子さんもちらほらみえて、休校期間で体力の低下があったのと
急に暑くなったことが原因かと考えていました。
朝食、睡眠をしっかり取って、のどが渇く前にこまめに水分補給をしながら、熱中症に備えたいですね。
さて健診結果で、気が付いたことをお話します。
①耳
自覚症状で、聞こえが悪いに〇をつけるお子さんが多数おみえになりました。
スマホで音楽やゲームの音量を大きくして、今のお子さんたちは、音響外傷による
難聴の方も多いです。
電車内や騒音下では、ついつい音量が大きくなりがちなので、意識してみてくださいね。
また若い時に騒音を浴びていた方は、歳をとったときに難聴が進みやすいといわれていますので、今から注意したいですね。
小学生のお子さんでも、聴力検査で要精査のお子さんは、耳鼻咽喉科で鼓膜のチェックと再度聴力検査を受けましょう。
低学年から中学年くらいのお子さんは、何回か練習しないと検査自体が上手くできないことも多いため、あまり心配しすぎず、まず受診してください。
②鼻
やはり例年とおりですが、アレルギー性鼻炎のお子さんが多い印象でした。
今の時期は、鼻がたらたらと垂れる時期ではないですが、鼻内をみると、下鼻甲介と言われる場所が、特徴的に変化していました。
今の時期は、ダニ、ハウスダスト、カビ、イネ科花粉や雑草に反応することが多いです。
また花粉症後の副鼻腔炎になっているお子さんもお見えになりました。
アレルギーのお子さんは、鼻詰まりに慣れてしまっていることが多いでので、実際に何に対してのアレルギーがあるかを調べて、原因となるものをなるべく除去しつつ、調子が悪い時にはお薬を使いましょう。
市販薬の点鼻薬を使っているお子さんもたまにみえまずが、血管収縮薬が入ったものは一時的にすっきりするものの、その後リバウンドして、鼻詰まりが余計にひどくなりますので、自身では判断せず、長期間使用しても大丈夫は処方薬を使うとよいでしょう。
また鼻を通しておくことは、集中力や睡眠の質を高めることにもつながるので、気を付けられるとよいかと思います。
またスギ、ダニに関しては、“舌下免疫療法”という治療で治してゆくこともできるようになりました。
また当院のホームページでも紹介していますので、参考にしてくださいね。
現在当院でも百数十名ほどの患者様が舌下治療を行っています。
お子さんは治療効果がでている方が多いですので、私も成長期の方には特にお勧めできる治療だと考えています。
③のど
健診では、扁桃肥大を診察することが多いです。
扁桃は7歳くらいから徐々に小さくなってゆくので、小さい頃や学校健診で扁桃肥大を指摘されたからといって、すぐに切除するとは限りません。
手術になる可能性が高いのは、
#1 2-3カ月に1回以上、扁桃が腫れることによる治療が必要な方(反復性扁桃炎)
#2 いびきがあり、扁桃肥大、アデノイド増殖によって睡眠時無呼吸になっている方
です。
睡眠時無呼吸があると、夜間の睡眠のリズムが崩れ、成長ホルモンの分泌がうまくいかずに、昼間に眠い、身長が伸びにくい、肥満になりやすい、夜尿症になることもあります。手術をしたらすべてが解決するわけではないですが、原因の一つをしては考えております。
学校健診では詳細な問診を保護者の方から直接お伺いできないため、受診時にご相談くださいね。
まだまだ夏本番ですが、しっかりと感染対策、熱中症対策を2つとも両立させて元気に過ごしてゆきたいですね。
またお子さん方が健やかに成長するお手伝いをしてゆきたいと考えておりますので、
お気軽にご相談ください。
文責:荒木 幸絵