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カテゴリ「健診・予防接種」のブログ記事

今年度は、私の体調不良により学校健診の日程を変更して頂き、大変申し訳ありません。

ご迷惑をお掛けしたことを大変心苦しく思っております。

さて、新型コロナウィルスの流行から3年近くが経過しました。

保護者の方々も家族の健康を守るために日々神経をすり減らしてみえると思います。

本当にお疲れ様です。また実際に罹られた方も沢山いらっしゃり、後遺症などで悩んでみえるかたも多くおられます。

緊張の中での生活が続き、お子さん方も感染以外に心身面での不調を訴えることも増えてきているように感じます。

さて今年の健診結果で、気が付いたことをお話します。

 

自覚症状で、聞こえが悪いに〇をつけるお子さんが多数おみえになりました。

新型コロナウィルス流行により、お子さん方は自宅で過ごす時間が増えています。

“イヤホン難聴(ヘッドホン難聴)”という耳にされたことはありますか?

イヤホンを使って、スマートフォンやiPadの音楽を大きな音量を聞いたり、YouTubeの動画を観たりしてみえる方も多いと思います。

しかし、イヤホンで大きな音を長時間聞き続けると、耳に負担がかかり続けて、難聴になる可能性があります。

聞こえに関する内耳の感覚器の細胞は壊れる前ならば、耳を休ませ、ビタミン剤や循環改善のお薬で回復しますが、一度壊れてしまうと元には戻りません。世界保健機構(WHO)もスマートフォンの普及による聴力への悪影響に注意喚起しています。また世界の若者(12~35歳)の半数近くにあたる11億人が将来的な難聴のリスクにさらされていると推測されています。

電車内や騒音下でしっかり音楽を聴こうと思うと、ついつい音量が大きくなりがちです。電車の中では、周囲の音を減らすノイズキャンセリング付きのイヤホンもありますので、是非とも検討してくださいね。

また若い時に騒音を浴びていた方は、歳をとったときに難聴が進みやすいといわれていますし、最近は若い方の“イヤホン難聴”も増えていますので、今から注意してゆきたいですね。

健診では、1000Hzと4000Hzという2周波を測定します。それ以外の周波数は測定しないため、聴力検査で異常を指摘された方はもちろん聞こえが悪いという自覚症状がある方も、耳鼻咽喉科で積極的に聴力検査を受けましょう。

また聴力検査で難聴を指摘されるのに、日常生活では全く問題のない方もみえます。

診察時の聴力検査の結果とご本人の聞こえ方の状況が合わないと感じるときは、機能性難聴(心因性難聴を含む)の可能性があります。総合病院で、脳波や内耳機能の詳細観察する検査、画像検査などを受けて、診断を行った方が良いでしょう。

元々思春期に発症しやすく、その後は自然軽快する方も多いですが、新型コロナウィルスの流行により、機能性難聴の患者さんは増加していると思います。お子さん方も日々の制限された生活にストレスを感じてみえるのではと推測しております。

 

 また今回の健診時に、岡山大学病院の耳鼻咽喉科の医師が監修してみえる“難聴をもつ小・中・高校生の学校生活で大切なこと”をいう冊子を先生方にお渡ししました。保護者の方でご興味がある方、お困りの点がある方は是非ご一読下さい。

とくにマスクの着用やソーシャルディスタンスの確保、換気のためのドア、窓の開放で、新型コロナウィルスの流行前よりも、難聴のお子さんは言葉が聞き取りにくい状態になっており、その中での対応の仕方が分かりやすく具体的に掲載されています。

 

 

やはり例年通りですが、アレルギー性鼻炎のお子さんが多い印象でした。

ただ今年は健診日程の変更により、スギ、ヒノキのシーズンが終了しております。(私の都合で申し訳ありません。)秋に悪くなりやすいイネ科、キク科、ヨモギ、雑草、ダニ、ハウスダストなどが影響しているのではと考えています。

鼻内を診察すると下鼻甲介と言われる場所が、特徴的に変化していました。

また副鼻腔炎になっているお子さんもみえました。

アレルギーのお子さんは、鼻詰まりに慣れてしまっていることが多いでので、実際に何に対してのアレルギーがあるかを調べて、原因となるものをなるべく除去しつつ、調子が悪い時にはお薬を使いましょう。

顔をしかめる、鼻を上下に動かす、鼻をこする、鼻血もアレルギー性鼻炎の方によくみられます。

市販薬の点鼻薬を使っているお子さんもみえまずが、血管収縮薬が入ったものは一時的にすっきりするものの、その後リバウンドして、鼻詰まりが余計にひどくなるので、自身では判断せず、長期間使用しても大丈夫な処方薬を使うとよいでしょう。

また鼻呼吸ができるようにすることは、集中力や睡眠の質を高めることにもつながるので、気にかけて頂ければと思います。

またスギ、ダニに関しては、“舌下免疫療法”という治療で、抑えるのではなく治すことができるようになりました。お子さんの将来の時間への投資になるのではと考えています。

現在、当院でも多数のお子さんが舌下免疫療法を行っています。

お子さんは治療効果がでている方が多いですので、成長期の方には特にお勧めできる治療だと考えています。

 

  • のど

健診では、扁桃肥大を診察することが多いです。あーと口を開けてもらうだけですので、

アデノイドは観察できていません。

扁桃は7歳くらいから徐々に小さくなってゆくので、小さい頃や学校健診で扁桃肥大を指摘されたからといって、すぐに切除するとは限りません。

手術になる可能性が高いのは、

#1 2-3カ月に1回以上、扁桃が腫れることによる治療が必要な方(反復性扁桃炎)

#2 いびきがあり、扁桃肥大、アデノイド増殖によって睡眠時無呼吸になっている方

です。

睡眠時無呼吸があると、夜間の睡眠のリズムが崩れ、成長ホルモンの分泌がうまくいかずに、昼間に眠い、身長が伸びにくい、肥満になりやすい、夜尿症になることもあります。手術をしたらすべてが解決するわけではないですが、原因の一つとして考えてよいでしょう。

学校健診では詳細な問診を保護者の方から直接お伺いできないため、上記のような所見がある方は、受診を勧めております。

受診時にお困りのことがありましたら、ご相談くださいね。

 

今年の話題としては、新型コロナウィルスにかかるとその後に嗅覚味覚障害、上咽頭炎、副鼻腔炎になりやすいことが分かってきました。治療がまだ確立されておらず、すぐには軽快しないことも多いです。上記の症状に対しては、抗菌剤、ビタミン剤、ステロイドの点鼻薬、亜鉛の補充、漢方や耳鼻咽喉科の処置などを行って治療してゆきます。

 

 耳鼻咽喉科の病気は痛みを伴うとき以外はついつい後回しになり、慣れてしまうとそのままにしがちですが、気が付いた時に治療を開始し、ご自身の体質について把握していかれると生活の質が改善するのではと思います。

 

これからもお子さん方が健やかに成長するお手伝いをしてゆきたいと考えておりますので、

お気軽にご相談ください。

 

     2022年9月   文責:港みみ・はな・のどクリニック 荒木幸絵

 

緊急事態宣言も解除され、人との接触の機会が少しずつ増えてきますね。

そこで新型コロナウイルス以外の感染症にも注意が必要になってきます。

今回は、百日咳についてご紹介いたします。

百日咳は、百日咳菌による長引く咳が特徴的な感染症です。百日咳は小中学生世代で多く認められる傾向があります。このような状況のなか、咳が長引く病気は特に予防したいものです。

日本では、百日咳感染症予防として、0歳と1歳のときに合計4回の定期の予防接種を行っています。しかしワクチンをちゃんと接種していても、4~7歳のときには発症予防に必要な免疫力を保っているお子様は40%未満との報告があります(IASR 2017;38:31-33)。

そこで日本小児科学会は、

①就学前(年長児)

②11~12歳 ※11~12歳の2種混合を3種混合に変更

に百日咳含有ワクチン(3種混合ワクチン)の追加接種を推奨しております。いずれも任意接種(自費)になります。

学童期のお子様を百日咳の感染症から守りましょう。また小さな赤ちゃんでは百日咳が重症化しやすいため、家族が移さないようしっかりと予防しましょう。

百日咳含有ワクチンにつきご相談などありましたら、いつでもお声がけください。

安藤

 

 

新型コロナウイルスの脅威により、予防接種や乳児健診についても控えるべきか悩んでいる患者さまもおられることと思います。

日本小児科学会の方針は、予防接種や乳児健診の極端な制限によって予防できる他の重要な病気の危険性にさらされる恐れがあり、いつも以上に配慮したうえで可能な限り予定通り実施すべき、とのことです。

http://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=326

当院の考えとしましても、予防接種で予防できる病気の中には新型コロナ以上に恐ろしい病気もあるため、通常通り接種していくことを推奨しております。現在、予防接種外来(感染症のお子様が受診しない時間帯)の時間を拡充し、感染に可能な限り配慮して予約を受け付けております。ご希望の方はお電話でお問い合わせください。

9・10か月健診も、感染症の患者様の受診がない時間帯(急患は対応する可能性がありますが)をご案内いたします。

 

名古屋市では、1才未満のお子さまは2回無料で市内の医療機関で健診を受けることができます。

 

1回目は生後1か月に出産した病院で受けられる方がほとんどです。

2回目は生後9〜10か月頃にかかりつけの小児科などで皆さま健診を受けておられます。

9〜10か月健診を受け忘れて1歳を過ぎると、2回目の健診が無料で受けられなくなりますのでご注意ください。

 

9〜10か月健診では、身長、体重、頭囲などを測定し、体が順調に大きくなっているのかを確認します。

その他に9〜10か月健診でみていくポイントは、大きな運動に関してはお座りが安定しているのか、ハイハイやつかまり立ちはしているのか、細かい運動に関しては指で小さいものをつまむことができるか、社会性に関しては喃語、人見知りがあるのかなどです。このような発達のスピードはお子さまによってかなり違いがありますので、全部出来ていないからといってすぐに発達に問題がある、ということではありません。少しゆっくりなお子さまに関しては、お家での過ごし方のアドバイスをさせていただいたり、1か月おきに発達の経過を見守ったりしていきます。

 

また、9〜10か月健診では、離乳食や予防接種の進み具合なども確認していきます。他にも育児をしていく上で心配なことなども相談できるよい機会です。

当院で9〜10か月健診をご希望の方は、窓口かお電話でご予約ください。

 

安藤

 

 

 

全国的に風疹、麻疹の流行がみられます。

 

年長になった4月からワクチンが接種できますので、忘れずに早めに接種しましょう。

 

秋からは風邪、インフルエンザの流行や入学準備などで忙しく、打ちそびれてしまう方も

みえます。

 

当院では、MRワクチンは当日接種を行っておりますので、母子手帳を必ず持参して頂き、

お越しください。

 

花粉、黄砂でつらい症状の方も多いですが、皆さまご自愛くださいね。

 

生活習慣予防検診のイラスト(学校の健康診断)

 

院長:荒木幸絵

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