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卵アレルギーのお子さんにワクチンを打ってアレルギー症状が出ないか不安に思っておられる保護者のかたも多いのではないかと思います。

ワクチンの作り方から、ワクチンに卵の成分が含まれていると考えられるワクチンは、麻しんワクチン(お子さんは麻しん・風しん混合ワクチンとして接種します)、ムンプスワクチン、インフルエンザワクチン、黄熱ワクチン(黄熱ワクチンは海外渡航などで必要になった方だけが接種するワクチン)です。

結論から言いますと、麻しんワクチン、ムンプスワクチン、インフルエンザワクチンいずれも卵アレルギーのお子さんでも接種可能です。

卵アレルギーのお子さんがワクチン接種でアナフィラキシー(全身性の強いアレルギー症状)を起こすオボアルブミン(卵のタンパク)量は1回の接種で600ng以上と言われています。

一方、麻しんワクチン、ムンプスワクチン、インフルエンザワクチンに含まれるオボアルブミン量は麻しんワクチンやムンプスワクチンは1ng/ml以下、インフルエンザワクチンは10ng/ml以下(※1、※2)と非常に微量です。例えば3歳以上のお子さんのインフルエンザワクチンは1回に0.5ml接種しますので、多く見積もっても1回に体に入るオボアルブミンは5ngで、全身のアレルギー症状が出る可能性のある量の100分の1以下です。麻しん・風しんワクチンやムンプスワクチンに含まれる卵の成分はそれよりも少ないわけですから、もちろん卵アレルギーでも接種可能です。

※1日本のインフルエンザワクチンに含まれるオボアルブミン量は最近では1ng/ml以下とさらに減っています。

※2欧米のインフルエンザワクチンは卵の成分を多く含みます(オボアルブミン:20〜1200ng/ml)ので、卵アレルギーのお子さんが海外で接種するときは注意してください。 

以上のことから当院では、卵を食べたことが無い乳児でも、卵アレルギーのあるお子さんでも、インフルエンザワクチン、麻しん・風しんワクチン、ムンプスワクチン接種は通常通り行って問題ないと考えています。

※重度の卵アレルギーの患者さま(卵そのものも加工品も一切食べておらず、極微量で強い全身症状がでるような患者さま)で、当院がかかりつけでない場合は念のためかかりつけ医にワクチン接種についてご確認いただくようにお願いいたします。

ワクチン接種について、ご不安な点などありましたらご相談ください。

 

参考

庵原 俊昭:基礎疾患をもつ人への予防接種 日本小児アレルギー学会誌 第24巻第2号193〜202,2010 

 

安藤

 

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